骨盤の歪みが起こる原因は?骨盤の歪みをチェックしてケアする方法
目次
はじめに
腰回りに位置する骨で、上半身と下半身をつなぐ存在でもある骨盤。骨盤の歪みは、慢性的な痛みやケガにつながりやすく、日常生活に支障をきたすリスクもあります。
今回は、そんな骨盤の構造を紹介しながら、骨盤が歪んでしまう原因やセルフチェック・ケアの方法などを解説します!
骨盤とは?その役割と構造
骨盤は、我々の体を支える重要な役割を果たしています。まずは骨盤の構造と役割、重要性を知りましょう。
(1)骨盤の位置と構造
骨盤は腰の下部からお尻にかけて位置していて、図などを見ると三角形のような構造を形成しています。そして、骨盤は複数の骨で成り立っています。腸骨・恥骨・坐骨からなる「寛骨(かんこつ)」と、背骨の下にある「仙骨(せんこつ)」です。これらの骨が、筋肉や靭帯によって連結・固定されることで、骨盤を形成しています。
このうち、寛骨は大腿骨(太ももの骨)とつながり、下半身の重さを支えています。仙骨と尾骨は背骨の一部であり、胴体と骨盤をつなげています。
(2)骨盤の役割と重要性
骨盤は、私たちの体にとって重要な役割を持っています。例えば、骨盤は私たちの体の重心を支えており、立ったり歩いたりする動作に欠かせません。また、骨盤はさまざまな内臓を保護したり、内蔵の位置を保持したりしています。
さらに、骨盤は姿勢の維持にも関与します。このあとに紹介しますが、骨盤が歪むと体のバランスが崩れ、肩こりや腰痛などの原因となってしまうのです。骨盤ケアは全身の健康維持につながる、とても重要な要素と言えるでしょう。
骨盤の開きや歪みが起こる原因
骨盤の開きや歪みには、大きく2つの原因が考えられます。
(1)生活習慣による原因
骨盤の開きや歪みは、普段の生活習慣が大きく影響します。何気なくやっている動作1つ1つで、骨盤は大きな影響を受けているのです。例を挙げてみましょう。
- スマホを見る→猫背になり背中(背骨)が丸まり、それにつられて骨盤も後ろに傾きやすくなる(後傾)
- 脚を組んで座る→股関節など骨盤周辺の筋肉や関節にねじれが生じ、骨盤の歪みにつながる
- 同じ方向ばかり向いて寝る→左半身・右半身に加わる力(ベッドの反発や重力など)が異なることで、骨盤や全身の歪みにつながる
- 片方の肩だけにカバンをかけて歩く→カバンの重さに耐えるために背骨や骨盤が左右に歪みやすくなる
- ハイヒールを履いている時間が長い→つま先立ちで前かがみの姿勢を取ることで、骨盤が前に傾きやすくなる(前傾)
立っている時や歩いている時、座ってるとき、寝てるとき。生活習慣の何気ない「クセ」が、骨盤の歪みに直結するのです。
(2)ケガや病気による原因
骨盤の開きや歪みは、怪我や病気も大きな原因となります。特に、交通事故や高所からの転落などによる強い衝撃が骨盤に直接加わると、骨盤骨折が起こることがあります。例えば、以下のような種類の骨折が考えられます。
- 前方骨盤骨折:恥骨や坐骨が折れる。
- 後方骨盤骨折:仙骨や腸骨が折れる。
これらの骨折は、骨盤の歪みだけでなく歩行困難や排尿・排便の障害を引き起こすこともあります。
またケガや病気ではありませんが、出産も骨盤に大きな影響を与えます。実際、男性と女性は骨盤の形が異なります。女性の骨盤は、男性の骨盤よりも横幅が元々広めです。これは、赤ちゃんが生まれる時、骨盤のど真ん中にある産道を通るからだと考えられています。
出産によって骨盤に強い力が加わることで、骨盤が開いたり歪んだりしてしまいます。ケガや病気、出産などによって異常を感じた場合は、すぐに専門医に相談しましょう。
骨盤が歪むとどうなる?体への悪影響
骨盤の歪みは、体に2つの悪影響を及ぼします。
- 姿勢の悪化:骨盤の歪みが生じると、体のバランスが崩れて姿勢が悪くなります。これは腰痛や肩こりなどの原因となりえます。姿勢の乱れは、骨盤の歪みを増長させます。結果、骨盤が歪む→姿勢が悪くなる→骨盤の歪みがさらに悪化する…といった、負のスパイラルに陥りやすくなってしまいます。
- 内蔵の機能低下:骨盤には腸や膀胱をはじめ、多くの内蔵が位置しています。骨盤が歪むとそれらの内蔵にも影響を及ぼし、その機能が低下することがあります。それにより、疲れやすくなったりさまざまな病気にかかりやすくなったりしてしまうのです。
これらは、骨盤の歪みがもたらす影響の一部に過ぎません。骨盤の歪みからさまざまな症状を引き起こす前に、早めのケアと対策が必要です。
骨盤の歪みをチェックする方法
自分の骨盤が歪んでいるかは、「座った状態」「立った状態」の2つでチェックできます。ただし、これらのチェックはあくまで自己診断に過ぎません。骨盤の歪みが気になる方は、専門家に相談してみてください。
(1)座って行うチェック法
まず、正面から鏡に映るようにしてイスに座りましょう。その状態で、膝や足首が互いに平行になっているか確認します。もし片方の膝が他方より高くなっていたり、足首の位置がずれている場合、それは骨盤の歪みの可能性があるというサインかもしれません。
姿勢をチェックできる大きな鏡がない場合は、イスに座った状態で膝の位置、足首の位置などを見て自己判断してみてください。
次に、背筋をまっすぐ伸ばしつつ、上半身を左右に傾けてみてください。この動きがスムーズにできない場合や、一方向に傾くと特に痛みを感じる場合は、骨盤の歪みが影響している可能性が高いです。
(2)立って行うチェック法
立った状態で骨盤の歪みをチェックする方法は、大きく3つあります。
①股関節ラインのチェック
直立した状態で自分の両股関節のラインを確認します。そけい部の近くにある、骨の出っ張りを目安にするといいでしょう。もし一方が上になっている場合、骨盤が歪んでいる可能性があります。
②膝の位置のチェック
立ったままで、両膝が同じ高さにあるか確認します。一方の膝が前に出ていたり、高さが異なる場合は骨盤に歪みがあるかもしれません。
③背中を壁につけてチェック
壁にかかとと背中をつけて、足をそろえて背筋を伸ばしてください。この時、壁と腰に片手が入るスキマがあれば、正常である可能性が高いです。
逆に、スキマが大きかったりまったくない場合は、骨盤が歪んでいる可能性があります。
こんな人は要注意?骨盤の歪みに悩む患者様に見られる身体の特徴・共通点
よろずや接骨院を訪れる患者様にも、骨盤にトラブルを抱えている方が多くいらっしゃいます。そうした患者様には、いくつかの共通点があります。「私は腰に痛みとかないから、骨盤は正常なのかも」と思っている方も、次からの特徴に該当する場合は十分注意してください。
【ちなみに】
ここで紹介する身体の特徴は、必ずしも骨盤の歪みが原因で起きているわけではありません。むしろ逆に、これから紹介する特徴が骨盤の歪みを引き起こしていることがあります。
「骨盤が歪んでいるから、こういう特徴が起こっている」
「こういう特徴が起こっているから、骨盤が歪んでしまうかも」
こうした両方の可能性を考慮してお読みになってください。
(1) ガニ股(股関節が外に開いている)
ガニ股の方は骨盤が開いていて、お尻の筋肉が緊張し骨盤が後傾しやすくなります。逆に、内股の人は骨盤が前傾して、いわゆる反り腰になりやすいです。
(2) 足首が硬い
いきなりですが、一度立ってみましょう。そして、スクワットのようにその場でしゃがんでみてください。しゃがんだ状態のつま先を見ると、ほとんどの方は外を向いていると思います。
人間の身体は構造上、つま先が内側を向いている時より、外側を向いている方がたった状態で膝や股関節を曲げやすいのです。足首が硬いと、その分を補うようにつま先がより外側を向きやすくなるのです。
その結果、普段からつま先が外を向く=ガニ股になるので、骨盤が後傾しやすくなります。
(3) 扁平足
足の裏にある土踏まずがつぶれて、足裏が平らになった状態を「扁平足(へんぺいそく」と呼びます。土踏まずは足の内側にあるので、扁平足の方は自然と足や膝が内側に傾く=内股になりやすいです。
冒頭でも紹介した通り、内股の人は骨盤が前傾しやすくなってしまいます。
骨盤のセルフケアで大切な3つの習慣
骨盤の歪みを最小限にとどめたり改善したりする上で、次に紹介する3つの習慣を大切にしてください。
(1)日常生活
日常生活における骨盤ケアは、次の3点を意識しましょう。
①正しい姿勢を普段から意識する
ここでの「正しい姿勢」とは、長時間疲れない安定した姿勢や、見た目にも美しい姿勢だと考えてください。下に立っている時や座っている時の姿勢がどうなっているか、自分で観察して矯正できるようにしましょう。
・座っている時
肛門のすぐ後ろにある、お尻でもっとも骨ばった部分(坐骨)が座面につくように座ります。それよりも後ろの部分(仙骨)で座ると、骨盤がゆがむ原因になるでしょう。
座っている時も、胸を張った姿勢がよいとされますが、ただ胸を張ろうとすると反り腰気味になってしまいます。それよりも、「肩の位置」に注目してください。
具体的には、肩を大きく回した時、「後ろ斜め下」の位置でストップすると、腰や背中に負担が少ない状態で胸を張ることができます。またこの時、ひじは肩からスッと下ろした位置にあるのがベストです。
とはいえ、デスクワーク中にこの姿勢を維持するのは難しいと思います。座った状態でも定期的に姿勢を変えて、骨盤への負担を軽減するようにしましょう。
・立ってる時
基本的に、上半身の姿勢は座っている時と同じです。下半身は、外くるぶしから太ももの「大転子」という横に出っ張った部分までが一直線になっているかが1つの目安です。
②姿勢の悪化につながる習慣を極力減らす
姿勢の悪化につながる習慣(スマホを見ながら歩く、ハイヒールを長時間履く)を、減らしたりなくしたりできるよう検討してみてください。
③適度な運動(筋トレ、ウォーキングなど)
日頃から正しい姿勢を維持できるようにするには、ある程度の筋力や体力が必要です。これからの日常生活に、ウォーキングや自宅でできる筋トレなどを取り入れてください。
(2)自宅でできるストレッチ方法
とはいえ、どんなに正しい姿勢を維持しようとしても、骨盤には一定の歪みが生じてしまいます。その歪みを緩和するためのケアとして、ストレッチなどを取り入れていきましょう。
1.「立って行うストレッチ」:立った状態でかかとをお尻に近づけ、お腹に力を入れます。太ももの前側が伸ばされるのを意識しながら、ひざを後ろに引きます。このポーズを30秒キープしましょう。
2.「座って行うストレッチ①」:座った状態で片ひざを立て、そのひざに肘を当てて振り向きます。背すじを伸ばすことを意識しながら肘でひざを軽く押します。このポーズも30秒キープします。
3. 「座って行うストレッチ②」:ベッドや床などに座り、両膝を軽く曲げます。足やお尻が床から離れないようにしつつ、膝を左右に倒していきましょう。膝を素早く動かすのではなく「できる限り大きく動く」ことを意識して、10往復行ってください。
4.「横向きに寝て行うストレッチ」:横向きに寝た状態で、足を手でつかんで膝を曲げ、かかととお尻を近づけます。太ももの前側が伸ばされるのを意識しながら、お腹に力を入れます。このポーズも30秒キープします。
(3) 妊娠・出産後は安静+ちょこちょこ動く
妊娠している方や出産間もない方は、とにかく骨盤に大きなダメージを受けています。特に産前産後は運動もできず安静にする必要があるので、骨盤が歪みやすい条件が整っているのです。
大前提として、妊婦さんや出産間もない方は安静に過ごすことを第一にしてください。その上で、寝返りでもいいのでちょこちょこ身体を動かすことで、骨盤の歪みを最小限に抑えましょう。
まとめ
骨盤の役割や構造、歪みが起こる原因、ケアの方法などを解説しました。骨盤の歪みは、身体にさまざまな不調をもたらします。逆に言えば、骨盤を正常な位置にキープすることで健康や美容にプラスの効果をもたらすのです。
今回紹介したポイントを参考に、ぜひ骨盤から始まる痛みや体調不良をケアしてみてください。
どうしても腰や肩の痛みが取れないし、ずっと気だるい。この問題は骨盤の歪みが原因なのかも……?と思った方は、ぜひ向ヶ丘遊園駅から徒歩ですぐのよろずや接骨院をお尋ねください。国家資格を持つスペシャリストが、皆さんが健康な毎日を過ごせるようサポートいたします。
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