四十肩、五十肩の症状と原因、ケアの方法を解説
目次
1.はじめに
年齢を重ねるにつれて、肩が痛すぎて眠れない、上にある物を取るのがつらい、服を着るのが大変など、日常生活に支障をきたすレベルの痛みに悩まされることがあります。
40〜50代での肩の症状を、まとめて「四十肩」「五十肩」と呼びます。聞き慣れた言葉ではありますが、具体的にどのような症状で、どんなケアが必要なのかをご存知の方は少ないでしょう。この記事で、そうした疑問を解消していければと思います。
2.四十肩、五十肩とは何か?
四十肩・五十肩は、いずれも「肩関節周囲炎」「凍結肩」といった疾患の一種で、肩の痛みや動きの制限を引き起こします。この疾患では、肩関節を形成する軟骨や周囲の組織が炎症を起こし、肩関節の動きが著しく制限されてしまいます。
この症状の進行は、一般的に「炎症期」「凍結期」「解凍期」の3つのステージに分けられます。
- 炎症期:肩の痛みが強く、徐々に運動量が制限されます。
- 凍結期:痛みは徐々に減少しますが、肩の動きの制限は続きます。
- 解凍期:肩の動きが徐々に戻りますが、完全回復には数ヶ月から数年かかることもあります。
肩関節周囲炎では、肩関節を構成する骨と骨の間に存在する「関節包」という組織が炎症を起こしたり、癒着したりしています。その結果、肩の関節が制限されて、動かしにくかったり痛みが生じたりします。
3.四十肩、五十肩の症状とその特徴
主な症状は、肩の痛みと動きにくさです。特に痛みをおぼえやすいのが、「腕を外に回す動作」や「腕を上に持ち上げる動作」です。
電車でつり革をつかんだり、物を持ち上げたり、洋服を着替えたりする時、肩周辺の組織が圧迫されて、痛みにつながってしまいます。炎症期などでは、夜間や安静時にも痛みを覚えます。
肩関節周囲炎の厄介な点は、痛みが長期間続くケースが多いことです。短くとも数か月、長いと2〜3年以上も症状が続くこともあります。それも、2〜3年間症状が続く方は、全体の約40%という研究結果もあるほどです。
また、他の病気(特に糖尿病1型)と合併してしまうことで、症状の長期化や予後不良に陥りやすいという特徴もあります。
4.四十肩、五十肩の原因
原因は明確に解明されているわけではありません。
しかし「生活習慣」と「疾患」という2つの要素から、いくつかの原因が考えられます。
(1)同じ動作の反復
仕事や趣味などで、同じ肩の動きを繰り返すことが多い方は要注意です。肩周囲の筋肉や腱が過度に利用され、炎症を引き起こしやすくなります。
(2)肩への負担
重い荷物を運んだり、高いところに手を伸ばす動作など、肩に負荷をかける行為が続くと、筋肉や腱にダメージが蓄積してしまいます。
「不適切な姿勢」:長時間のデスクワークやスマートフォンの使いすぎなどで、肩周辺の筋肉が緊張し続けると、肩の関節や腱に異常を引き起こす可能性があります。
こうした習慣、というかクセが多いなと感じる方は、生活習慣の改善や肩のケアが必要だと思います。
5.四十肩、五十肩と他の肩の疾患との違い
四十肩・五十肩を一般的な肩こりと同じと考えている方は意外と多いです。しかし、両者には大きな違いがあります。それぞれの違いをチェックしてみましょう。
(1)肩こりとの違い
四十肩・五十肩は、肩の筋や腱の周囲に炎症を生じ、激しい痛みを伴います。一方で、肩こりは主に筋肉の疲労やストレスによるもので、マッサージやストレッチ、ストレス発散などで解消できるケースが多いです。
また、肩こりの痛みは主に肩や首の周辺を中心とする範囲に広がりますが、四十肩・五十肩の痛みは肩関節そのものに集中しているという違いもあります。
怖いのは、普段の肩の痛みを肩こりと思い放置することです。四十肩や五十肩は自然に治ることが多いのですが、四十肩・五十肩に悩まされている肩の約40%は、完治まで2〜3年は痛みが続くと言われています。
局所的な肩の痛みを覚えたら、まずは医療機関や整骨院・接骨院に相談してみてください。
(2)腱板断裂との違い
四十肩・五十肩と似た症状を呈する他の肩の疾患には、「腱板断裂(けんばんだんれつ)」が挙げられます。この2つの主な違いは「痛みの出現パターン」です。四十肩・五十肩は、肩の動きが徐々に制限され、夜間や安静時にも痛みを感じる特徴があります。これに対して、腱板断裂は肩を特定の方向に動かしたときのみ痛みを感じることが多いです。
また、四十肩・五十肩は自然に治ることもある一方で、腱板断裂は放置すると肩の機能が低下してしまうので、早めの治療がとても大事です。この他にも、肩の周辺にはさまざまな関節や筋肉、靭帯が密集しています。何が原因で痛みにつながっているのかは分からないので、肩の痛みを自己判断するのは避けましょう。
6.四十肩、五十肩の診断方法
四十肩・五十肩の診断では、患者の肩の痛みや運動制限の程度を診察します。主な症状は痛みと運動制限なので、それにより日常生活が障害されることを確認します。具体的に確認するのは、次のような項目です。
- 安静時や夜間で肩に痛みが発生するか
- 高いところに手が届かない、服の着替えが大変といった運動制限があるか
7.四十肩、五十肩の主な治療法
治療する場合は、次の方法が用いられています。
(1)運動療法
四十肩、五十肩は肩関節周囲の炎症によるものであり、適切な運動によって血行を良くし、炎症を和らげることが期待できます。
整体院や接骨院では、肩甲骨が正常に動けるような施術をしたり、運動指示をします。四十肩、五十肩の方は、肩甲骨を上手に動かせていません。動かない肩甲骨の変わりに、他の筋肉や関節、骨を動かそうとすることで、肩周辺の組織に負担がかかり痛みが惣菜してしまいます。
(2)温熱療法
温熱療法は、肩の周囲の筋肉や組織を温めることで、血行を促進し、痛みやこりを和らげる効果が期待できる治療法です。治療では主にホットパックという器具が用いられ、患部のより深い部分を温め、筋肉の緊張を和らげて血流を改善します。
(3)寒冷療法
寒冷療法は、患部の炎症を抑えて、痛みや腫れを和らげるための治療法です。氷袋やクールパックを肩に当てて、血流を抑制することで痛みの軽減を図ります。寒冷療法は一時的に痛みを和らげる手段でもあるので、運動療法なども行って根本的に痛みを改善することが重要です。
8.自宅でできる四十肩、五十肩のケア
肩の痛みがひどくて、なるべく早めにケアしたいという方は、これから紹介するエクササイズを試してみてください。とはいえ、まずは自分の肩の痛みの原因を知ることが重要です。エクササイズで肩の痛みを和らげつつ、なるべく早めに整体院や接骨院、医療機関で診てもらうようにしましょう。
①タオルを使ったエクササイズ
厚さ10~15cm程度のタオルや枕、クッションなどの柔らかい物を用意します。それを脇と腕で8秒間挟みましょう。これを5回繰り返してください。まずは1日1セットすることから始めて、1日3〜4セットを目標にやってみてください。
【注意点】
- 肩に痛みが生じない程度の強さでタオルを挟んでください。
- 下の画像のように、タオルを挟む時に二の腕を内側にひねらないようにしましょう。
②腕相撲エクササイズ
テーブルにひじをついて、腕相撲のようにこぶしを左右へ倒してください。肩を上げる時には関節や二の腕をひねる動作が加わるのですが、このエクササイズで再現できます。四十肩や五十肩だとこの動作だけでも痛みが出るので、動かせる範囲でやってみましょう。
やればやるほどいい!というエクササイズではないので、1日10往復を目安にしてください。
③手をスライドさせるエクササイズ
リラックスした姿勢でテーブルに手を置き、姿勢はそのままで手を前後にスライドさせます。この時、肩甲骨が内・外にスライドしているイメージで行いましょう。
この運動で、肩甲骨を安定させる作用がある前鋸筋(ぜんきょきん)という筋肉を刺激できます。先ほどのエクササイズと同様に、痛みが出ない範囲で1日10往復をめどにやってみましょう。
9. いますぐ楽になりたい!四十肩、五十肩を和らげる姿勢の作り方
どうしても今すぐ肩の痛みを取りたい!という方は、次に紹介する姿勢になってみましょう。ここで紹介する姿勢は、回数・時間の指定はないので、つらくてしょうがない!という時やスキマ時間などで試してみてください。
(1)あお向けバージョン
あお向けになり、肩の下にタオルなどを敷きます。この状態で、痛みが起きている方の腕でポールを抱えましょう。細長く抱えやすい物であれば、ポールでなくても構いません。この時、肘や二の腕はまっすぐ下ろし、二の腕を内側にひねらないようにしましょう。
(2)座った状態バージョン
座った状態の場合は、ボックスや肘置きに腕・肘を乗せて、肩に力が入らないようにします。
(3)立った状態バージョン
座っている時と同様で、立ち姿勢で肘や腕を台などに乗せます。
ここで大事なのは、肩の力を抜いた状態にすることです。下の写真のように、肩がすくんでしまうような姿勢になったり、肩に力が入りすぎないように注意しましょう。
10.まとめ
四十肩、五十肩の症状や原因、治療法やケアについて紹介しました。四十肩、五十肩は痛みが長期化しやすい疾患ですが、正しい治療法を選択することでより早く治すことができます。「なんか肩こりとは違う痛みがある…」と思った方は、すぐに医療機関で診断を受けましょう。
・どこに行ってもイマイチ症状の原因もわからないあなた。
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向ヶ丘遊園駅から徒歩すぐのよろずや接骨院へお越しください。皆様の肩の状態を丁寧に診断した上で、最適な治療法をご提供いたします。
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