疲労感・倦怠感の正体とは?原因と対策を解説

平日は仕事で忙しく、土日はずっと家で寝てしまっている。ちゃんと寝ているつもりなんだけれど、なぜか疲れが取れない…。よろずや接骨院に訪れる患者様でも、仕事や育児などで忙しい人から疲労感が抜けない、倦怠感がずっと残っているというエピソードをよく聞きます。

そもそも、この疲労感・倦怠感というのはなんなのでしょうか?この記事では、疲労感や倦怠感の正体や原因、改善方法などを解説します!

1. 疲労感・倦怠感とは何か

誰もが一度は経験したことがある「疲労感」とは、言葉の通り「疲れを感じていること」を意味します。具体的には、思考力や注意力が低下したり、活発に運動できなかったり、目がかすむ、頭痛、肩こり、腰痛などを感じている状態を意味します。

疲労感というのは、通常睡眠やリラックスすることで解消できますが、ずっと疲労感が続いてしまうこともあります。この慢性的に感じる疲労感のことを、「倦怠感(けんたいかん)」と呼ぶのです。

もしも6カ月以上にわたって生活に著しい支障をきたすほどの強い疲労が持続、または繰り返される場合、「慢性疲労症候群」の可能性があります。慢性疲労症候群は、次に紹介する症状のうち、8つ以上が6カ月以上続いている場合を指します。

  1. 微熱・悪寒
  2. 咽頭痛
  3. リンパ節腫張
  4. 筋力低下
  5. 筋肉痛
  6. 労作後の全身倦怠感
  7. 頭痛
  8. 関節痛
  9. 精神神経症状
  10. 睡眠障害など

慢性疲労症候群は20〜50代に多く、特に女性に多い傾向にあります。生活習慣の改善で症状が改善することもありますが、病気が原因の場合もあるため、長期化する場合は医療機関を受診することが重要です。

強い疲労感を感じて頭を抱えている女性

2. 疲労感・倦怠感の原因

疲労感や倦怠感の原因は、大きく分けて3つ考えられます。

(1)生活習慣

生活習慣は、疲労感や倦怠感を感じるもっとも身近な原因の1つです。特に睡眠・運動不足・食事の3つのうち、次のような条件が当てはまる場合、それが疲労感・倦怠感につながっている可能性が高いです。

①睡眠不足

疲労回復に睡眠は欠かせません。睡眠不足や不眠が続くと、日中の活動に大きな支障をきたすことがあります。睡眠は、量と質がどちらも重要です。

  • 7時間以上の睡眠時間を確保できていない
  • 寝る直前までスマホを見ている
  • 自分に合った寝具を使っていない
  • 毎日就寝時間と起床時間が異なる
  • 平日と休日で睡眠のリズムが大きく異なる

上記のなかで当てはまる項目が多い人ほど、睡眠の量・質がどちらも低く、結果として睡眠不足に陥っているかもしれません。

②運動不足

普段からあまり運動していない人は、心肺機能や筋力が低下して疲れやすくなっていることが考えられます。また、座りっぱなしの時間が長い人は、筋肉のコリが強くなり、それが血流を悪くして疲労感が慢性化しやすくなります。

疲労が溜まってソファでくつろぎながらお菓子を食べている女性

③栄養不足・食生活の乱れ

だるさがなかなか取れない…という人の場合は栄養不足が考えられます。ビタミンやミネラルなどの微量栄養素が少ないと、健康を維持するための内臓の機能が低下するため、疲労を回復する能力を十分に発揮できません。

また、1日3食を食べていない人も、栄養不足からの疲労感を疑いましょう。最近では1日1食〜2食でも十分という話を耳にしますが、食事の回数が減ればその分、栄養を摂取するチャンスも減ってしまいます。

他にも、食事のタイミングがバラバラだったり、深夜にたくさん飲み食いをしているという場合、胃腸など身体への負担につながります。

(2)ストレス

生活習慣以外に、疲労感や倦怠感の原因となりやすいのがストレスです。毎日遅くまで残業が続いている、仕事仲間やご近所さんとのコミュニケーションがうまくいっていないなど、さまざまな原因でストレスを溜め込むと、身体や心にさまざまなエラーが起き、その1つとして疲労感・倦怠感などを覚えます。

食欲の変化 ・睡眠の乱れ ・疲れやすい ・集中力の低下 ・イライラしやすいなどの症状が1週間以上続く場合は、ストレスへの抵抗力が落ちているかもしれません。

仕事で疲労感・倦怠感を抱えて、ストレスを感じている女性

(3)病気

疲労感や倦怠感が続く場合、何らかの病気が原因になっているかもしれません。次のような症状を持っている場合、疲労感・倦怠感を覚えやすいです。

①風邪、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症

風邪、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症などの病気が原因のケースです。くしゃみや咳が止まらない、発熱や悪寒があるなど、なんらかの症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

②貧血(鉄欠乏性貧血)

貧血にはさまざまな種類がありますが、最も多く見られる症状が「鉄欠乏性貧血」です。体内に鉄分が不足すると、赤血球の中のヘモグロビン量が減少し、酸素の運搬能力が低下します。その結果、だるさや疲労感 ・動悸・息切れ ・頭重感などの症状が現れます。

③甲状腺機能低下症

甲状腺は、喉仏の下にある臓器で、甲状腺ホルモンというホルモンを作っています。向上性ホルモンは、身体のさまざまな臓器に運ばれて正常に機能するよう働きかけるのですが、なんらかの原因で甲状腺の機能が低下すると、無気力や疲労感などを覚えやすくなるのです。

④更年期障害

更年期障害とは、閉経の時期を中心とした10年前後の期間(更年期)に現れる様々な症状を指します。主な症状は、ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)、発汗過多、不眠などです。これらの症状が強く現れ、日常生活に支障をきたしている場合、それが疲労感や倦怠感につながりやすくなります。

⑤うつ病

ストレスをきっかけに発症することが多いうつ病になると、感情の起伏が激しくなる、食欲不振や食欲増加、気力の低下や疲労感などに悩まされます。

⑥慢性腎臓病(CKD)

慢性腎臓病(CKD)とは慢性的な腎臓病の総称です。あまり聞いたことがない人も多いですが、実際には成人の約7人に1人(約1,480万人)がCKDに該当するといわれるほどメジャーな病気なのです。

CKDは初期の段階だと自覚症状がなく、タンパク尿や血尿がでることがあります。その状態を放置すると、血圧の上昇や貧血、疲労感やむくみなどが症状として現れ、さらに症状が進行すると食欲低下・吐き気・尿量の低下などが起こります。

⑦心不全

心不全は心臓の機能が低下することで起こる病気です。心臓は全身に血液を送るポンプの役割があります。その心臓の働きが悪くなると、全身に血液が行き渡りにくくなり、むくみや身体の痛み、便秘、抑うつ、呼吸困難、食欲不振、倦怠感などの症状が現れます。

疲労感や倦怠感についての問診をする看護師のイメージ画像

3. 疲労感・倦怠感を改善する2つのポイント

疲労感や倦怠感を改善できる身近な行動として、次に紹介する2つのポイントを大事にしてください。

(1)十分な睡眠、適度な運動、バランスの良い食事

疲労感や倦怠感を改善するために、まずやるべきは「生活習慣の改善」です。生活習慣は睡眠・食事・運動で支えられています。

睡眠でやるべきことは、十分な睡眠時間の確保です。必要な睡眠時間は人によって異なりますが、最低でも「6時間」必要だとされています。とはいえ、ベッドに入ってすぐに眠れる人は多くありません。十分な睡眠時間を確保するには、必要な睡眠時間+1〜2時間の余裕を持たせておきましょう。

睡眠時間を確保できたら、枕やマットを変える、寝る1時間前からスマホやPCを見ないようにするなど、睡眠の質を高める工夫を試行錯誤してみてください。

食事については、何よりも「バランス」を大切にしましょう。主食(ごはん)と主菜(お肉や魚介類)、副菜(野菜や豆類、きのこなど)など、さまざまな品目の食品を食べるようにして、炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラル・食物繊維をまんべんなく摂れるようにすることで、疲労を回復するための機能を正常化できます。

適度な運動も、疲労感を覚えにくい身体作りには欠かせません。とはいえ、いきなり筋トレやスポーツなどハードな運動をすると、かえって疲れがたまってしまいます。まずは15〜30分のウォーキングから始めるなど、少しずつ日常生活に運動を取り入れるようにしましょう。運動によって血行がよくなれば、疲労感も取れやすくなります。

外で運動をしていて解放感を感じている女性

(2)ストレス解消

疲労感・倦怠感を取り除くには、ストレス解消も重要です。心理学では、ストレスにうまく対処することを「コーピング」と呼びます。コーピングには、次のような種類が存在します。

  • 問題焦点型コーピング:ストレスの原因に働きかける(転職する、仕事で重圧を感じていることを上司に相談する など)
  • 情動焦点型コーピング:ストレスへの考え方・感じ方を変える(仕事での失敗を同僚に話して感情を整理する、新しいプロジェクトに参加する不安を「期待されている」と捉え直す など)
  • ストレス解消型コーピング:ストレスを発散する(運動する、音楽を聞く、買い物する、ヨガや瞑想する など)

コーピングでは、1つの方法だけではなくいくつかの対策を使い分けつつ、ストレス対策することが大切です。他にも細かなテクニックややり方はありますが、まずはこの3つの方法を活用して、ストレスに対処してみてください。

4.よろずや接骨院がおすすめする疲労改善セルフケア

上で紹介したポイントとは別に、よろずや接骨院がおすすめするセルフケアの方法もご紹介します。

(1)アクティブレストとネガティブレスト

一般的に、休養には「アクティブレスト(積極的休養)」と「ネガティブレスト(消極的休養)」の2つがあります。一般的に、皆さんが思い浮かべる「身体を動かさずにゆっくり休む」という休養が、ネガティブレストです。

一方で、アクティブレストは積極的に身体を動かすことで、疲労感を取り除きます。息が上がらない程度の全身運動(ジョギングなど)、水中ウォーキング、ストレッチなどもアクティブレストに該当します。

疲労感や倦怠感の解消のために海の上でヨガをしている女性

(2)疲労改善のためにもっとアクティブレストを活用しよう!

よろずや接骨院を訪れる患者様を見ていると、疲労感がある人はたいていネガティブレストをする傾向が見られます。しかし、普段の生活を聞くと長時間のデスクワークが主体で、むしろ普段から「動いていない」という人がとても多いです。

そんな人は、ネガティブレストよりもむしろアクティブレストを積極的に取り入れる方が、疲労感の改善には効果が高いと言えます。逆に、肉体労働や育児などで積極的に身体を動かしている人は、なるべくゆっくり休みつつ、家でテレビや映画、音楽を楽しんだり、瞑想などを取り入れるネガティブレストが必要です。

皆さんの活動レベルに応じて、アクティブレストとネガティブレストを上手に使い分けると、疲労感をもっと上手に抜くことができます。

5.疲労感・倦怠感を病院・治療院で改善する

疲労感や倦怠感の解消のために医師の診察を受けている男女の画像

疲労感・倦怠感を改善するには、医療機関でその原因を探り治療するという選択肢も有効です。

(1)病院で診療を受ける場合

実際に病院を受診する場合は、以下の3つの診療科を受診してみてください。

  • 内科:倦怠感が何カ月も続く場合は、何らかの病気が潜んでいる可能性があります。そのため、まずは内科を受診することをおすすめします。
  • 精神科:疲労感や倦怠感の背景に、精神的な原因(主にストレスなど)がある場合、精神科を受診してみましょう。
  • 婦人科:女性で更年期を迎えた人は、婦人科(更年期外来や女性外来など)を受診してみましょう。

(2)整体院でケアする場合

整体は腰痛や肩こりの改善、姿勢改善などの過程で、凝り固まった筋肉へアプローチします。それにより、自律神経のバランスが整ったり血流が改善したりして、疲労回復につながるケースが多く見られます。

よろずや接骨院でも、患者様へのケアとして整体を施すことがあります。直接疲労回復のお手伝いをするわけではありませんが、身体の問題点を解決したところ、疲労感が取れたという患者様を多く見てきました。

  • 40代男性。肉体労働がメインだったが、姿勢が悪い+姿勢が悪かったため下半身に痛みを訴えていた。股関節や腰回りの動きを改善したところ、今まで通り働いていても疲れにくくなった。
  • 40代女性:デスクワークが多く運動量が少ないためか、姿勢が悪く脚がむくみやすくなっていた。姿勢改善を施しつつ、セルフケア(水分補給の推奨やストレッチ、座ったままできる運動の紹介)を行うことでむくみが取れただけでなく、疲労感も覚えにくくなった。

病気の兆候は見られないけれど、腰痛や肩こりがつらい……。そんな人は、一度整体院をはじめとした治療院に相談してみてください。身体の痛みだけでなく、疲労感も改善できるかもしれません。

疲労感や倦怠感の解消のための施術を行っているよろずや接骨院 向ヶ丘遊園院の院長の画像

6. まとめ

疲労感・倦怠感の原因や改善方法を解説してきました。日々の疲労を翌日に持ち越さないための対策を立てることは、毎日を楽しく元気に過ごす上でとても大切です。今回紹介した改善方法を参考に、疲労感・倦怠感に対処していきましょう。

どうしても疲れが取れにくい、身体に慢性的な痛みがあるという人は、ぜひよろずや接骨院にご相談ください。皆さんの疲れや痛みの根本的な原因を探り、最適な改善方法をご提供いたします。

そんな方は、ぜひお近くの治療院か、川崎市内にて活動している私たちよろずや接骨院にご相談ください。皆様の肩の状態を丁寧に診断して、最適な治療法をご提供いたします。

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